健康志向が逆に不健康に?オルトレキシアの症状・原因・対応方法
- 7月20日
- 読了時間: 3分
更新日:8月8日
「健康的な食事を心がけること」はとても大切なこと。でもその健康志向が行き過ぎて、逆に心や体を苦しめてしまうことがあるのを知っていますか?

今日は 「オルトレキシア」 という言葉についてわかりやすく解説します。
オルトレキシアとは?
オルトレキシア(Orthorexia)は、
「健康的で純粋な食事へのこだわりが強くなりすぎて、日常生活や心身に悪影響を与えてしまう状態」
を指す言葉です。1997年にアメリカの医師スティーブン・ブラットマンによって提唱されました。
どんな特徴があるの?
✅ 食材の産地・成分・添加物・農薬などに過剰にこだわる
✅ 「不純」だと思うものを極端に避ける
✅ 外食や人との食事を避けるようになる
✅ 食事のルールを守れないと強い罪悪感を感じる
✅ 食事が「正しくできているか」が自己評価の基準になる
なぜ問題なの?
健康的な食事は大事ですが、それが行き過ぎると
栄養不足や体重減少
食事のたびに不安やストレスを感じる
人付き合いを避けて孤立する
食事が人生の中心となり他のことに興味を持てなくなる
といった 心と体の健康を損なう結果 を招いてしまいます。
精神医学的な位置づけ
現時点(2025年現在)でオルトレキシアは正式な病名(DSM-5、ICD-11)ではありませんが、
摂食障害の一形態
強迫性障害との関連
ARFID(回避・制限性食物摂取障害)に近い
などとして研究されています。
健康志向だからこそ見逃されやすいオルトレキシア
✅ オルトレキシアは「一見すると健康的な行動に見えるため、医師でも見抜くのが難しい」ことが大きな課題です。
周囲からは「食に気を使っていて偉い」「健康的で素晴らしい」と褒められることが多く、本人自身も「良いことをしている」という自覚しか持っていないことがあります。
しかし実際には、
✅ 食事のことで強い不安や罪悪感を感じる
✅ 食事の選択肢が極端に狭まり、外食や人との食事を避けるようになる
✅ 食事を楽しめず、健康のためを超えて「不純なものを避けること自体が目的化」している
といった 生活の質の低下や孤立、体調不良を招いている場合が多くあります。
オルトレキシアは診断基準が確立されておらず、医師が身体症状を見ても背景のオルトレキシアに気づかないことがあります。
そのため、
✅ 食事制限が厳しすぎて体調不良を引き起こしていないか
✅ 食事が「楽しさ」ではなく「不安の回避」になっていないか
✅ 食事へのこだわりが社会生活や人間関係を犠牲にしていないか
を振り返ることが、オルトレキシアに気づく重要なきっかけになります。
まとめ
✅ オルトレキシアは「健康的な食事へのこだわりが極端になり、逆に心身の健康を損なう状態」
✅ 健康志向とオルトレキシアの違いは「柔軟性と楽しさがあるかどうか」
✅ 食事へのこだわりで生活が制限されている・楽しめなくなっている場合は専門家に相談を検討する
オルトレキシアは「健康のために始めたこと」が「健康を奪うもの」へ変わってしまうことがあります。
食事は心と体の健康のためにあるもの。「正しさ」だけにとらわれず、「楽しみながら健康を目指す」ことを大切にしてくださいね。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。これからも「心と体を守る健康情報」を発信していきます。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。






