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インスリンは糖だけじゃない!タンパク質戦略で差をつける柔軟食管理

  • 8月1日
  • 読了時間: 8分

更新日:6 日前

「インスリンは糖質だけに反応する」と思っていませんか?実は、特定のアミノ酸でもインスリンはしっかり分泌されます。つまり、糖質制限中でもインスリン刺激は起こりうるのです。

炭水化物

本記事では、インスリンの分泌メカニズムを栄養素ごとに解説し、糖質・脂質・タンパク質を戦略的に使い分ける実践的な食事法を紹介します。週単位・日内単位の柔軟なアプローチを取り入れ、代謝を味方にするための知識をフィットネス愛好家の皆さんにお届けします💪🔥

🧬 そもそもインスリンとは?

インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されるホルモンで、主に以下のような働きを担っています:

  • 血中のグルコース(糖)を筋肉や肝臓、脂肪組織に取り込ませる

  • 筋タンパク合成を促進

  • 脂肪の分解を抑制(=脂肪を溜め込む)

インスリンの役割は非常に重要ですが、過剰に分泌される、あるいは体がインスリンに反応しにくくなると(=インスリン感受性の低下/インスリン抵抗性)、さまざまな代謝トラブルを招きます。


🧠 インスリン感受性とは?その本質と鍛え方

インスリン感受性とは、細胞がインスリンにどれだけ反応するかの度合いを指します。感受性が高いと、インスリンが少量でもスムーズに血糖を下げ、筋肉へ栄養を届けてくれます。


🔍 感受性が高いと起こるメリット

  • 血糖コントロールが安定

  • 筋肉への栄養輸送が効率的

  • インスリン分泌が最小限で済むため、脂肪蓄積が抑えられる


⚠️ 感受性が低いとどうなる?

  • インスリンを多量に出さないと血糖が処理できない(=高インスリン血症)

  • 肝脂肪や内臓脂肪が増加し、糖尿病や生活習慣病のリスクが上がる

  • 筋肉ではなく脂肪に優先的に栄養が回る

  • 筋肉への栄養輸送が滞り、筋合成効率が低下

  • 空腹感が強まり、過食につながる


🩸 インスリン分泌の2つのタイプとは?

インスリンには2種類の分泌があります。

基礎分泌(Basal)

  • 絶食時でも24時間持続的に分泌(約12〜25U/日)

  • 血糖の安定を維持

追加分泌(Bolus)

  • 食後に一時的に大量分泌(1食あたり約5〜15U)

  • 栄養素の種類によって量や速度が異なる

(参考文献:DeFronzo RA et al., Diabetes Care, 1992)


🔺追加分泌を刺激する栄養素ランキング

  1. 糖質(グルコース)

  2. タンパク質(アミノ酸:ロイシン、アルギニン)

  3. 脂質(脂肪酸)

脂質はほぼ追加分泌を起こしませんが、糖質+脂質の組み合わせは注意が必要です。

(参考文献:Holt et al., American Journal of Clinical Nutrition, 1997)


🍖アミノ酸でもインスリン分泌が起こる!

多くの専門家が誤解していますが、アミノ酸(特にロイシンやアルギニン)でもインスリン追加分泌は起きます。

🧬 主なアミノ酸のインスリン刺激量

アミノ酸インスリン刺激


ロイシン

強(約3〜6U)

アルギニン

強(約3〜6U)

フェニルアラニン

(参考文献:Layman DK, Journal of Nutrition, 2003)


💡「単位(U)」ってなに?

インスリンの「1単位(1U)」とは、血糖をおよそ30〜50 mg/dL下げる作用量として定義された国際単位です。インスリン製剤にも共通して使われており、効果の「強さ」を示すために**mg(重量)ではなくU(単位)**が使われています。

たとえば、U-100インスリンとは「1mL中に100単位のインスリンが含まれている製剤」のことです。


🔁インスリン感受性の「上がるまで」と「下がるまで」

インスリンが効きやすい状態=インスリン感受性が高い状態。逆に効きづらくなるとインスリン抵抗性と呼ばれ、肥満や糖尿病のリスクとなります。

では、感受性はどのくらいの期間で上がったり下がったりするのでしょうか?


⏫ 感受性が「上がる」までの目安期間

方法

感受性の向上までの目安

解説

筋トレ・有酸素などの運動

1回で数時間~48時間

GLUT4が筋細胞に移行し、糖取り込みが増加。インスリン非依存的にも効果あり。

糖質制限や低脂肪食への切り替え

数日~1週間

肝脂肪が減少し、感受性が改善。個人差あり。

体脂肪(特に内臓脂肪)の減少

数週間~数か月

炎症物質の分泌が減り、慢性的な改善につながる。

質の高い睡眠の確保

数日~1週間

睡眠不足は感受性を即座に悪化させる。改善により逆転可能。

断食・時間制限食(16時間断食など)

1日〜数日

インスリン濃度低下により、短期的な感受性改善が期待できる。


⏬ 感受性が「下がる」までの目安期間

原因

感受性の低下までの目安時間

解説

高脂肪・高糖質の暴食(とくに同時摂取)

1回の食事でも低下

急激な血糖・インスリン上昇で抵抗性が誘導されやすい。

運動不足・長時間の座位

1〜2日で低下

筋肉の糖取り込み能力が減るため感受性が落ちやすい。

一晩の睡眠不足(4時間以下)

翌日に顕著な低下が見られる

耐糖能が顕著に悪化。インスリン抵抗性が高まる。

ストレス・高コルチゾール状態

数日〜数週間で持続的低下

糖新生促進や脂肪蓄積が起こりやすく、慢性化すると深刻。

急激な体重増加(特に内臓脂肪)

1〜2週間以上で顕著に

脂肪組織の炎症がインスリン抵抗性を進行させる。


🔍 結論:インスリン感受性の変化は早くも遅くもなる

状況

感受性の変化速度

一時的な改善(運動・断食など)

数時間~数日で上昇可能

長期的な改善(減量・食習慣)

数週間~数か月必要

一時的な悪化(暴食・睡眠不足)

たった1回でも低下

慢性的な悪化(生活習慣病など)

回復に長期間を要する


📚 参考文献

  • Holloszy JO. Exercise-induced increase in muscle insulin sensitivity. J Appl Physiol. (2005)

  • Buxton OM et al. Sleep restriction reduces insulin sensitivity. Sleep. (2010)

  • Taylor R. Type 2 diabetes: etiology and reversibility. Diabetes Care. (2013)

📈 インスリン・ヒエラルキーとは?

ここで言う「インスリン・ヒエラルキー」とは、**インスリンが体内で優先的に作用する組織の順序(感受性の強さ)**を指します。

インスリンは、筋肉、肝臓、脂肪組織にそれぞれ働きかけますが、筋肉量や感受性によって、その優先順位が変わります。筋肉量が多い人ではインスリンが主に筋肉に作用しやすく、逆に筋肉が少ないと脂肪組織に優先的に働いてしまう傾向があります。


💪筋肉量で変わるインスリン作用の優先順位

筋肉量が多い人はインスリン感受性が高く、筋肉優先で作用します。

🏋️ 筋肉量が多い人のインスリン作用順位

  • 筋肉>肝臓>脂肪

🍩 筋肉量が少ない人のインスリン作用順位

  • 脂肪>肝臓>筋肉

筋トレで筋肉量を増やすことは、糖質を筋肉に送り込み脂肪蓄積を防ぐ強力な手段です。

(参考文献:Wolfe RR, Journal of Nutrition, 2006)

📊 グリセミックインデックス(GI)と インスリンインデックス(II)の違いを理解しよう

多くの人は「GI=血糖値が上がる食材」を基準に食事を選びますが、それでは代謝の全体像を見誤ります。実は、インスリンの反応は必ずしも血糖と一致しません。ここで重要なのが「インスリンインデックス(II)」という概念です。


🧁 グリセミックインデックス(GI)とは?

  • 食後の血糖値の上昇率を示す指標

  • 白米や砂糖は高GI、野菜や全粒穀物は低GI


💉 インスリンインデックス(II)とは?

  • 食後のインスリン分泌量を測定した指標

  • 血糖がほぼ上がらない肉や乳製品でも、IIは高いことがある


たとえばホエイプロテインや低脂肪ヨーグルトはGIは低いのにIIは高い。つまり「血糖は上げないけど、インスリンはたくさん出す」食品もあるということです。

これは「血糖さえコントロールすれば健康」と考えていると見落とされがちな盲点であり、**慢性の高インスリン状態(=高インスリン血症)**を見逃す原因にもなります。


🧠 なぜIIが知られていないのか?

  • 実測が困難(2時間にわたる血中インスリン測定が必要)

  • データ数が少なく、食品ごとの指標が普及していない

  • 低GI=安心というマーケティングに都合が悪い

とはいえ、代謝と真剣に向き合うなら、「GIとIIの両方を見て判断する」ことが、より理にかなった選択になります。

(参考文献:Holt SH et al., American Journal of Clinical Nutrition, 1997/Nilsson M et al., 2004)

🔄 ローカーボ×ローファットのサイクルがもたらすメリット

ローカーボ(低糖質)とローファット(低脂質)を周期的に組み合わせることで、身体は“どちらにも対応できる”代謝柔軟性を獲得できます。

  • 🧠 代謝の切り替え能力が高まり、脂肪も糖も効率よく使える体に

  • 🔥 一方を続けすぎることで起こりがちな停滞やストレスを回避

  • 🧘‍♂️ 食のバリエーションが広がり、心理的にも続けやすくなる

  • 📉 インスリン感受性の回復にも寄与し、糖代謝が改善

栄養を「固定」せず「流動的」に扱うことで、体脂肪を減らしながら筋肉を維持・成長させる理想的なボディメイクが目指せます。


📅週単位でのマクロ周期化「5:2ダイエット戦略」

週5日はローカーボ(低糖質)、週末2日はローファット(低脂質)にすることで、ストレスフリーなダイエットが可能です。

  • 🍗糖質制限日(週5日)→唐揚げなど脂質+タンパク質

  • 🍙ローファット日(週2日)→お米やパスタなどを楽しむ

心理的にも生理的にも続けやすい方法です。

(参考文献:Paoli A et al., Nutrition, 2013)


⏰ 日内変動を活かす!「1日の中で糖質制限↔︎ローファット」

実は、1日の中でもローカーボ(低糖質)やローファット(低脂質)を柔軟に入れ替えることで、代謝柔軟性を高められます。

(参考文献:Zinman B et al., Diabetes Care, 2009)

✨まとめ:柔軟な栄養戦略で代謝を最適化しよう

大切なのは「あれダメ、これダメ」の制限ではなく、インスリンの追加分泌を戦略的に活用することです。筋肉量を増やし、日内・週単位で柔軟に糖質と脂質を使い分けて、理想的な身体を手に入れましょう!🌟


🏅 最後に一言

インスリンは敵ではなく、あなたが使いこなすべき代謝の味方です。賢く使って、食事とトレーニングの効果を最大限引き出しましょう!💪✨

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。これからも「心と体を守る健康情報」を発信していきます。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。

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